ダリダ（Dalida 本名：ヨランダ・クリスティーナ・ジリョッティ 1933年1月17日生）［フランス・歌手/女優］
家族はイタリアからの移民としてエジプトに住んでおり、そのためダリダはエジプトの首都カイロに生まれた。幼少期はエジプトで暮らしていたが、その後はフランスに帰化しフランスに住んでいた。
ダリダは1954年度の「ミス・エジプト」に選ばれたほどの美貌を持ち、1956年から歌手活動を開始した。歌手・女優の仕事は、基本的にはフランス語で行っていたが、イタリア語、アラビア語、英語、スペイン語そしてドイツ語でも行っていた。彼女の官能的な美しさは評判になったものの映画は失敗、しかし歌手としては、あらゆるジャンルの歌で数々のヒットナンバーを飛ばし大成功を収め、国民的な人気歌手となった。
私生活は不幸の連続で、1961年に7年来の仕事のパートナーであるプロデューサーのルシアン・モリスと結婚するも、モリスの嫉妬などで結婚生活は半年で破綻。その後、1966年にローマで出会ったイタリア人歌手のルイジ・テンコと結婚するが翌年、サンレモ音楽祭で2人でデュエットしたものの審査員から散々な評価を受けて落選に悲観したテンコはその夜、ホテルでピストル自殺を遂げてダリダの2度目の結婚生活に終止符が打たれた。半狂乱状態となったダリダは、1ヶ月後に服毒自殺を図るが未遂に終わった。この時、彼女を支えたのが前夫のモリスだった。
しかし、1970年にモリスは「人生につかれた」の遺書を残し突然の自殺。残されたダリダはステージに立てない状態が続いたが1973年、リシャール・シャンフレイ伯と結婚しカムバックを果たす。この結婚生活は7年続いたが、1983年にシャンフレイまでもが謎の自殺を遂げた。
後年は、度重なる失恋や医師との不倫に悩んだ末、「許してください、人生はつらすぎる」という遺書を残し、バルビツールを服用し1987年5月2日夜自殺を図り、翌3日に死亡した。
華やかな表舞台の顔と私生活を彩った悲劇性の落差はまさにドラマそのものである。ダリダの追悼会にはミッテラン大統領やシラク首相も参列した。彼女の墓はパリのモンマルトル墓地にある。
1987年5月3日死去(享年54)
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