尾上菊五郎の戒名


 大正・昭和時代に活躍した歌舞伎役者、6代目尾上菊五郎の戒名は「芸術院六代目尾上菊五郎居士」と一風変わった戒名であるが、それにはワケがある。

 尾上菊五郎は生前「戒名なんてものは、坊主が金儲けのために造り出したもの。自分が死んだら戒名はいらない」と断言していた。団十郎の墓参りに行った時のこと、周りの者に「自分の親の戒名をソラで言えるか」と聞いたが、言えたのはほとんどいなかった。それで「自分が死んだら戒名は『六代菊五郎』で結構だ」と言った。ある人が「(戒名に)『居士』をつけないと」と言ったため、「(ならば戒名は)『六代菊五郎居士』か」と言うと、「院号もないと戒名になりません」と言われた。菊五郎は「俺は芸術家だから(院号は)芸術院とでもするんだな」と、「芸術院六代菊五郎居士」と自らつけていた。院号の「芸術院」は自身も会員だった日本芸術院から拝借したものに他ならない。しかし日本芸術院は曲がりなりにも文化庁の管轄する特別団体である。菊五郎が死去すると、遺族はその名称を院号としての使用することの是非を芸術院に打診した。その結果、正式名称の「日本芸術院」そのままではさすがに困るが、「日本」がつかないただの「芸術院」なら差し支えないということで、これが晴れて戒名となった。





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